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製本

お教えします!
製本とは

2024-03-27

製本とは複数の印刷物や原稿を一つに綴じて、本や冊子にすることです。製本方法には「上製本」や「並製本」などいくつかの種類があります。製本によって製造工程や仕上がり、コストが変わります。本や冊子の内容に合った製本仕様を選択することが大切になります。

製本の種類

上製本とは

上製本とは、いわゆるハードカバー製本のことです。本文用紙を糊と糸を使った糸綴じで仕上げた後、本文用紙より一回り大きい板紙(厚手のボール紙や布)の表紙でくるむ製本方法です。

表紙は硬い芯紙の上から表紙用紙(紙や布、ビニールなど)を巻く二重構造で、頑丈で高級感がある仕上がりになります。
また上製本は、背の形状が2つあり、背が丸く綴じられている「丸背製本」と四角く綴じられている「角背製本」から選べます。

記念誌、卒業アルバム、辞書、写真集、絵本、小説、など、長期保存が想定される冊子や使用頻度が高く耐久性が求められる冊子に向いています。

並製本とは

並製本とは、いわゆるソフトカバー製本のことです。表紙に柔軟性のある用紙を使い、接着剤などで本文用紙を一緒に綴じます。並製本の背の綴じ方は冊子の種類やページ数によっていくつか種類があります。

並製本は、上製本と比べて製本工程が少ないため、低コストで作成できて納期が短いです。しかし、簡易的な構造なため長期保存のしやすさや耐久性は上製本より劣っています。

カタログ、パンフレット、単行本、雑誌、文庫本、テキスト(教科書)、ノート、手帳など、使用頻度が高かったり大量生産したりする冊子向きです。

その他の製本

⚫︎リング製本
紙に穴を開けてワイヤーやプラスチック製のリングで綴じる製本方法です。ページを360度動かせます。カレンダーやメモ帳によく使われています。

⚫︎テープ製本
背をテープで綴じた製本方法です。ビジネスシーンにおける契約書、テキスト(教科書)、ノートによく使われています。

⚫︎PUR製本
PUR製本は、無線綴じの接着材にPUR系ホットメルト接着剤を用いた綴じ方です。PUR系ホットメルト接着剤は、通常の無線綴じで使われるEVA系接着剤よりも接着性が強く、固まった後の柔軟性が高いため、通常の無線綴じよりも強度が強いので見開きでのデザインがしやすくなるといったメリットがあります。しかし、PUR接着剤の価格が高いため、通常の無線綴じよりもコストが高く、接着に時間がかかるため納期も長くなりやすいデメリットがあります。

冊子の綴じ方の種類と特徴

中綴じ

針金を使った綴じ方(中綴じ)はページ数が少なく、見開きページを見せたい冊子向きの綴じ方です。中綴じは、印刷した用紙を重ねて中央から二つ折りにし、折り目部分に針金や糸を通して固定する製本方法です。
中綴じは見開きページを180度開くことができます。写真やイラストなど、ページを開いた誌面いっぱいの見開きレイアウトが可能です。ページ数が増えるとその分外側のページと内側のページ幅に差が出てしまい、裁断される部分が発生するため、レイアウトを作成する際はページ数と小口部分の絵柄や余白に注意が必要です。

無線綴じ・アジロ綴じ

接着剤を使った綴じ方(無線綴じ・アジロ綴じ等)は、ページ数が多いカタログ・文庫本などを綴じる際に使用されることが多いです。本文の背を接着剤で固めて、表紙でくるむ綴じ方です。文庫本やカタログなど、ページ数が多い冊子にも多く使用され、本文の総ページ数は2ページ単位で調整できます。背を接着剤で固めるため、開きが悪いのでノド部分に文字や図を配置すると、見えにくくなる可能性もあるため、レイアウトを作成する際はノド部分に余白をつけることや、見開きの絵柄にはミーリングの対応で注意することが必要です。

アジロ綴じは、本文の背の部分に切り込み(ガリ)を入れ、接着剤の浸透量が無線綴じより多くなるようにすることで強度を上げた綴じ方です。

かがり綴じ・中ミシン綴じ

糸を使った綴じ方(かがり綴じ・中ミシ綴じ等)は、絵本や辞書など子どもの怪我への配慮や本の強度が求められる冊子を綴じるときに糸綴じは折り込んだ用紙を重ね、糸と接着剤で綴じる方法です。接着剤で背がすべて固定されているわけではないため、ページ数が多くても開きが良い冊子になります。また、糸と接着剤の2つで固定するため、耐久性に優れており長持ちしますが、手間とコストがかかるというデメリットもある綴じ方です。

中ミシン綴じは、表紙と本文すべてのページを開いて中心を糸で綴じる方法です。子供が使うものや衛生面などが意識される場所で使う冊子を綴じる際に主に使われます。
中ミシン綴じはページを180度開くことが出来るため、見開きを用いたレイアウトにも向いています。

表紙の加工について

表紙に加工を施すことで耐久性が上がって傷を防げたり、見栄えが良くなったりします。

グロスPP加工

光沢が強くなり、写真の発色が明るくなる加工です。色鮮やかになることから雑誌や写真集の表紙で使用されます。また、紙の強度が上がり、傷が付きにくくなります。

マットPP加工

マットPP加工は光沢がおさえられたPP加工です。印刷された文字が見やすいため、学校や会社案内、作品集などの表紙に使用されています。

右綴じ・左綴じについて

右綴じと左綴じは、基本的に文章の方向で使い分けます。小説や教科書、写真集、雑誌など文章が縦書きのものは右綴じ、パンフレットやデザインブックなど説明が横書きのものは左綴じにするのが一般的です。

三共グラフィックは最新鋭の製本システムを導入

三共グラフィックでは、デザインや組版などの前工程・製版・印刷・製本(ホリゾン社製の製本システム)を一貫して承っております。PO糊(ポリオレフィン糊)を活用し小ロットからの書籍製本を実現しております。
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紙製クリアファイル

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脱プラスチックやSDGsの取り組みに。デザインは自由自在です。

                                   
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