「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」、それぞれに違いやメリット・デメリットが存在します。「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」の大きな違いは、印刷に『版』を使用しているかどうかにあります。
オンデマンド印刷とは、版を使わず印刷をする印刷手法でデータを作成し入稿したらそのまま印刷工程に入ります。
オフセット印刷とは、データを作成し入稿後、製版・刷版の工程を経て版を作成し印刷工程に入ります。
オンデマンド印刷とオフセット印刷のどちらを選ぶかは、仕様、内容、予算によって異なります。それぞれの特徴を理解し、最適な選択をすることが重要です。
オンデマンド印刷とは
オンデマンド印刷とは、電子写真方式やインクジェット方式などを利用した高速デジタル印刷機による印刷方法のことです。「オンデマンド」とは「必要なものを、必要なだけ、必要なときに」という意味を持ちます。オンデマンド印刷の特徴としては下記が挙げられます。
●少部数、少ロット向き
●短納期、スピード対応
●目的に合わせて柔軟な対応ができる（バリアブル印刷 etc）
とはいうものの、「大量部数ではかえってコストが上がる」「用紙や仕様に制限がでることがある」「色の再現がオフセットとは違う」などといったデメリットもあります。
オンデマンド印刷は、必要な時に必要な数量だけを印刷することができるメリットがあります。この印刷方法は、小ロットの印刷物に適しています。例えば、特定のイベントやキャンペーン向けのパンフレットやチラシを必要な時に作成することができます。また、オンデマンド印刷は、個々の印刷物に異なる情報やデザインを反映させることができるため、カスタマイズ性が高いです。さらに、短納期に対応することも可能です。必要な時にすぐに印刷物を手に入れることができるため、急な需要変動にも対応できます。しかし、オンデマンド印刷にはいくつかの制約もあります。一つは、単価が高くなることです。大量の印刷物を一度に生産するオフセット印刷に比べ、小ロットの印刷物を印刷するための設備やプロセスが必要となるため、コストがかかります。また、印刷物のサイズや用紙の種類に制約がある場合もあります。オンデマンド印刷は、カスタマイズ性や短納期に優れている一方で、大量生産やコスト効率の面ではオフセット印刷に劣ることがあります。
オフセット印刷とは
オフセット印刷とは、版を使用した印刷方式です。「オフセット」とは「付けて離す」という意味です。版のインクを直接紙に転写するのではなく、一度版に塗られたインクをブランケットに転写（オフ）してから紙に印刷（セット）します。オフセット印刷の特徴としては下記が挙げられます。
●大部数、大ロット向き
●高品質な仕上がり（高精細）
●特色の使用が可能
とはいうものの、「少量部数には向かない」「工程・納品に時間がかかる」「版が必要なため柔軟な対応が出来ない」などといったデメリットもあります。
オフセット印刷の最大の利点は、大量の印刷物を効率的に生産できることです。版を使用して、一度に多くの印刷物を作成できるため、時間とコストを節約することができます。また、オフセット印刷は高品質な印刷物を生産できるため、出版物やパンフレット、広告媒体などに適しています。オフセット印刷にはいくつかの制約もあります。まず、印刷物の準備には時間がかかります。版の作成やインクの調整など、準備工程が必要です。また、印刷物のデザインが変更される場合、新しい版を作成する必要があります。そのため、小ロットの印刷物や短納期の媒体には向いていません。
「オンデマンド印刷」と「オフセット印刷」の選択
オンデマンド印刷とオフセット印刷の選択は、プロジェクトの要件と予算によって異なります。大量の印刷物を必要とする場合や、高品質な印刷物を作成したい場合は、オフセット印刷が適しているかもしれません。一方、小ロットの印刷物や短納期のプロジェクトには、オンデマンド印刷が最適な選択肢となるでしょう。
最終的な選択をするためには、それぞれの印刷方法の特徴と利点を理解することが重要です。プロジェクトの要件と予算を考慮し、印刷の専門知識を活用して最適な印刷方法を選択しましょう。
